FC2ブログ

カレンダー

09 | 2011/10 | 11
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

プロフィール

rekikyo

Author:rekikyo
大阪大学歴史教育研究会の公式ブログです。
原則として事務局スタッフの記事を中心に週一更新、その他告知や参加メンバーによる投稿等があれば随時掲載します。

最新記事

最新コメント

カテゴリ

リンク

検索フォーム

総訪問者数

SNSと歴史教育の相性は?

今回記事を書くのは2度目になります特任研究員の岡田です。
私事からで恐縮ですが,私は前回の例会を(指導教官の発表であったにもかかわらず!)欠席いたしましたが,それは同じ日に東京で開かれた松下幸之助国際スカラシップフォーラムで発表するためでした。

このフォーラムは,名前の通り,松下幸之助記念財団から海外留学(いわゆる欧米を除く地域)奨学金を受給した人間が,その成果をふまえて研究報告を行う場として企画されたものです。今回で7回を数え,今回の統一テーマは「地球をつなぐ:アジア・アフリカ学の可能性」で,私自身の報告はさておき,いずれの報告も現地での経験を生かした独自の問題意識に基づく興味深いものでした(財団ウェブサイトの以下のアドレス<http://matsushita-konosuke-zaidan.or.jp/pdf/jpn_forum.pdf>からポスターをダウンロードできます)。

それが,今回のブログのタイトルと何の関係があるのかと言いますと,当日のフォーラムの5本の報告の内,2つの報告(そのうち1つは私の報告です・・)で隠れたキーワードとなったのがSNS(ソーシャルネットワークサービス)などインターネットを通じたネットワーク形成だったのです。私の報告では,元々ベトナム・ラオスの国境地域に居住していたが,約200年前に戦争捕虜としてタイ(当時はシャム)に連行され,入植村を形成したタイソンダム(「黒ズボンのタイ」という意味)という集団が,自分達がベトナムから来た黒タイと自己規定するに至る過程を考察したのですが,そこで重要な役割を果たしたのがインターネットです。故郷から遠く離れたタイに住むタイソンダムが,インドシナ戦争によりアメリカに亡命した黒タイが作ったウェブサイトの情報を通じて文化復興を行ったり,SNS上にサイバー・コミュニティーを作って,若者を巻き込んで民族アイデンティティの発揚が行われていたり,という現象が生じています。

もう一つが非常に興味深いもので,今年7月に,世界で一番「若い」国,南スーダン共和国が産声を上げたスーダンの人々の,世界に広がるネットワーク形成について調査された倉内美智子さん(総合研究大学院大学)の報告です。そこでは,南北スーダンの境界に位置するヌバ山地に居住し,長期の内戦の結果生まれた避難民として世界各地に散らばったヌバ人達が,故郷の復興のために,避難先の国で起業し,世界に広がったネットワークを利用してモノ,カネを動かしてゆくという事例が紹介されました。そこでもインターネットにつながる環境さえあれば世界のどこにいても同じように参加できるSNSが情報共有及びネットワークを活性化させるツールとして重要な役割を果たしているそうです。

また,タイ,アラブ各国そしてアメリカの格差是正デモと近年の大規模デモの裏にはツイッターを含むSNSを通じた呼びかけがあったことは周知の通りですし,SNSはその情報発信力とともに大きな可能性を秘めていると言えそうです。

何を今さら,そんなことお前に言われなくてもわかってる!
というツッコミが入りそうですが,それはその通りで,私自身も今までブログなんて書いたこともなく,これまでインターネットの利便性は認めつつも,なかなか十分に使いこなせない,むしろデジタルデバイドに苦しんでいる側の人間です。そんな私ですが,歴史教育研究会の事務局に入ったことをきっかけに,ブログデビューさせてもらい,今度はSNSも導入するということで,まずは試験的にfacebookに登録することになりました。すると,しばらく連絡を取っていなかった,フランスに留学中のベトナム人研究者の知り合いと「つながったり」,タイにいる友人もfacebookに参加していて現在の洪水の状況を聞けたりと,早速,その便利さを実感することができました(個人情報の観点からは少し不安な気もしてしまいますが・・)。なので,せっかく便利なものがあるのだからこっちから積極的に使ってやろう!と遅ればせながら考えている次第です。

歴史教育研究会として,SNSを通じて何ができるのかという点については,事務局のIT担当岡本さんを中心に議論している最中ですが(例えば,例会での議論のフォロー,セミクローズドなヤフー質問箱的なもの,授業で使っている(あるいは使えそうな)資料・写真などの共有etc..),皆さんが気軽に利用でき,コミュニケーションを深められるようなものにしてゆきたいところです。もちろん,サイバー空間でのコミュニケーションには,対面のそれと比べて,問題や限界も多いとは思いますが,例会(及びその後の懇親会)での「熱い」コミュニケーションと上手く連動,相互補完できる形でコミュニケーションの幅を拡げられてゆければよいと考えています。

ベネディクト・アンダーソンは,その著書『想像の共同体』の中で,活字メディアが普及する以前には対面関係が存在する範囲でしか共同体意識が成立しえなかったとして,活字メディアに支えられる近代の国民共同体意識の人工性(及び権力の恣意混入)を批判しています。しかし,SNSのようなサイバーメディアは,活字メディアと違って,誰もが同じ権利で情報を発信,受容できる双方向性が前提です。うまく利用すれば,これまで培われた研究会の人的ネットワークを基盤にして,歴史教育関係者の共同体を「創造」することも可能なのではないでしょうか?
・・・などと,「妄想」の翼をはばたかせてくれるのもSNSの可能性なのかもしれません。

皆さんも,よいアイディアやすでにこんな試みをやっている,というものがあればぜひ教えていただければ幸いです。(文責:岡田雅志(事務局))
スポンサーサイト



テーマ : 歴史 - ジャンル : 学問・文化・芸術

| ホーム |


 ホーム  » 次のページ