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Author:rekikyo
大阪大学歴史教育研究会の公式ブログです。
原則として事務局スタッフの記事を中心に週一更新、その他告知や参加メンバーによる投稿等があれば随時掲載します。

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第69回例会参加記

 こんにちは、事務局の岡田雅志です。今回の記事は5月18日(土)に行われました第69回例会の参加記です。例会からかなり時間が経ってからのアップとなってしまい申し訳ありません。

 今回の例会の第1報告は事務局メンバーの一員でもある伊藤一馬氏(甲南大学・四天王寺大学非常勤講師)による、「大学教養科目における「中国通史」の試み」と題した報告でした。
 本報告は、非常勤講師として、半期15コマという限られた時間、また受講生の知識、ニーズが多様な中において、中国通史を教えるという報告者の経験を紹介しながら、大学教養課程における歴史教育の現状と課題を共有し、問題解決への議論につなげようというものであったと思います。
 これまで高校の先生方による授業実践報告はありましたが、大学の授業実践について報告される機会はほとんどなかったので、高大連携の取り組みの上でも非常に貴重な報告でした。また、当会の活動においては、指導法よりも、教える中身の刷新の議論を重視することを特色としてきましたが、報告者は、その中においても、新しい内容を「誰に」「どのように」伝えてゆくのかという問題についても射程に入れてゆく必要があるのではという提言をされており、この点は、大学教養課程用テキストとしての使用を想定している『市民のための世界史』の作成においても、重要なポイントになるのではないかと感じました。
 質疑では、まず、「中国」を通史として教えることの難しさ、問題点が議論されました。現代中国や日本を含む東アジアの国際環境の理解のためには、歴史を遡って考えることが必要であることを強調しなければならない一方で、現代中国との違いはもちろんのこと、前近代の各時代においても意味と中身が多様である「中国」というものを限られた時間の中でどのようにイメージさせるかは非常に困難な課題であることがあらためて明らかになったように思えます(とはいえ、今回の報告の本筋ではないこの議論に時間をかけすぎたのは当日の司会(私)の反省点です・・)。他にも、コンテンツの選択の仕方や、学生の関心を掘り起し、維持させるための工夫などについても質疑が行われました。報告者は毎回アンケートを取り、次回にかなりの時間をかけて回答、解説をするなど、学生との丁寧なコミュニケーションを行っており、それが効果を上げているという印象を持ちました。

 第2報告は、皆川雅樹氏(専修大学附属高等学校教諭)による、「「歴史的思考力」とアクティブラーニング―高校日本史の授業実践から考えていること―」という報告でした。
 こちらの報告はまさに、「どのように」をテーマとした内容でした。報告者は、生徒を授業に主体的に参加させる方法の一つとしてのアクティブラーニング型授業を実践し、現在注目されていますが、今回の報告は、実際に研究会出席者もアクティブラーニングに参加する形で行われました。
 まず、いくら授業の中身がすばらしくても、授業がそれを生かす場にならなければ意味がないとして、これまでの、教師が一方的に説明するチョーク&トークの授業方法から、アクティブラーニング型の授業実践に変えた経緯や、アクティブラーニングの概念や背景、実際の授業の流れ(学習内容の説明→チーム学習→答え合わせ・ポイント解説→試験・振り返り)及び効果などについて説明されました。続けて、「歴史的思考力」の育成とアクティブラーニングとの関係について論じられた後、後半ではそれを題材として、出席者がチームに分かれて討議、発表し、アクティブラーニング型授業を実際に体験することとなりました。
 その後の質疑の時間では、より具体的な方法(一回の授業で進められる範囲など)やこうした形の授業を仕切るコツなどについて、かなり突っ込んだ内容の質問が多くなされました。それだけ今回提示されたアクティブラーニング型授業(及び報告者の話術!)に魅きつけられたということではないかと思います。
 報告者自身もこの形の授業を行う場合、チョーク&トークの技術も重要と述べられていた通り、実際にはかなりの熟練や試行錯誤が必要な高度な授業方法であるという印象を受けましたが、歴史学の魅力の一つは「唯一の正しい答えがあらかじめ存在しない」ところにあるのであり、知識の習得だけでなく、学習者が主体的に考える仕掛けを作ろうとするアクティブラーニング型授業には様々な可能性を感じました。報告者が述べられた「モヤモヤとしたものが残せればしめたもの、それが次の好奇心につながる」という言葉が印象的でした。(文責:岡田雅志(事務局))

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