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大阪大学歴史教育研究会の公式ブログです。
原則として事務局スタッフの記事を中心に週一更新、その他告知や参加メンバーによる投稿等があれば随時掲載します。

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【大阪大学歴史教育研究会・第81回例会】

【大阪大学歴史教育研究会・第81回例会】

日時:2014年10月18日(土)13:30~17:30
場所:大阪大学 豊中キャンパス 文学研究科本館2階 大会議室

1.南雲泰輔(山口大学人文学部講師)
 「異質なものとしての古代・中世地中海世界―『古代文化』特輯「西洋古代史の語り方:現代日本社会のために」のその後と補足」

2.岸本廣大(日本学術振興会特別研究員PD)
 「未来へと変化する「今」における西洋古代史の意義」

コメント:栗原麻子(大阪大学文学研究科准教授)

【趣旨説明】
 現代日本では、歴史学や歴史教育の危機が叫ばれて久しい。とりわけ未履修問題やセンター受験者の減少などの問題を抱える世界史では、それらに対応して、「西洋中心史観の克服」や「近現代史の重視」を主張する動きが強まっている。大阪大学歴史教育研究会でも、「限られた時間・用語で、何をどれだけ教えるか」という観点からの議論を盛んに行ってきた。しかしこの2つの主張は、ともすればその双方の焦点から外れる西洋古代・中世史の軽視につながりかねないとの懸念も、当然生じてくる。
 そのような状況の中、2013年6月に『古代文化』65巻1号において、「西洋古代史の語り方:現代日本社会のために」と題する特集が組まれた。かかる現状を憂える若手を中心とする西洋古代史研究者が、現代日本社会における西洋古代史研究の意義を問いかけたものである。収録された4編の論考は、それぞれ異なる観点から西洋古代史の意義と必要性を真摯に主張するものであり、歴史学と歴史教育の接続を目指す本研究会においても、その取り組みを紹介・議論する意義は大きいと考えられる。
 この例会では、上記の特集をコーディネートされた南雲泰輔氏(古代ローマ・初期ビザンツ史)と、岸本廣大氏(古代ギリシア史)のお二人をお招きして、特集の紹介と、特集後の反響を踏まえた新たな内容のご報告をいただく予定である。現在の西洋古代史研究における最新の論点や、そこから立ち上がる現代日本社会への問題意識をもとに、本研究会がこれまで積み重ねてきた議論も振り返りながら、改めて歴史学・歴史教育における西洋古代史の位置づけを問い直したい。
(研究会事務局・猪原)

【南雲氏報告要旨】
 報告者は,第11回古代史研究会例会(2012年3月25日,京都大学)において,大戸千之・米本雅一・岸本廣大の各氏の協力を得て開催したシンポジウム「西洋古代史の語り方:方法・目的・需要」を基礎に,「西洋古代史の語り方:現代日本社会のために」と題した特輯を編み,『古代文化』65巻1号(2013年6月)誌上に発表した。この特輯は,今日の日本における西洋古代史研究のあり方について,研究者自身はいかなる語り方を提示しうるかという問題意識のもとで考察を試みたものである。近年,我が国における外国史研究,また広くは歴史学全体の研究のあり方について,さまざまなレヴェルで深刻な危機感が表明され,多くの問題点が指摘されているが,そうした議論に西洋古代史の領域から加わって,今後の方途を探求しようと企図したのである。
 本報告では,この特輯に対して公刊後に向けられた反応のうち主要なものをいくつか取り上げ,歴史学と歴史教育について近年積極的な提言を行なっている阪大歴教研の活動と成果(特に,桃木至朗『わかる歴史・面白い歴史・役に立つ歴史:歴史学と歴史教育の再生を目指して』大阪大学出版会,2009年および大阪大学歴史教育研究会編『市民のための世界史』大阪大学出版会,2014年)とも比較対照しつつ再検討を行うとともに,西洋古代史・中世史の持つ異質性の重視および世界史的視野の確保に立脚した「大きな物語」の必要性を主張する特輯所収拙論について,地中海世界史理解の枠組みの観点から補足的な説明を加える。それによって,斯学の今日的な意義についても改めて考えてみたいと思う。

【岸本氏報告要旨】
 「需要」という観点から西洋古代史の意義を考察することを目的とした『古代文化』特輯の報告者の論攷は、「思考力」と「近現代の重視」という学校教育からの需要に対して、近現代における西洋古代史の「受容」を提案した。学校教育に対象を限定した拙論では、それらの需要を前提に議論を進めたが、その対象以外でも同様の前提に立つべきかについては検討が必要となる。特に、学校教育における「近現代の重視」は現代社会を生きる最低限の知識として重要だが、それ以外の場でもその意義を主張できるかには疑問が残る。
 そこで、本報告は「近現代の重視」を批判的に検討することから始める。報告者は、その需要の根本にある、現代世界を近代の延長とする捉え方に拘泥することは、必ずしも「今」を理解する上で有用ではないと考える。なぜなら、「今」は常に新しい時代(すなわち未来)へ変化しようとしているからである。その動きからは、近代の単なる延長としては捉えきれない事象が生じている。それは、近代との隔たりゆえに近代史の知識のみからは未知のごとく思えるかもしれない。しかしそれゆえに、そこに前近代史の新たな需要が見出せることを示したい。
 具体的には、「今」における新しい事象の例として、国民国家を超えた新たな統合を模索するEUの政体に注目し、報告者がこれまで研究してきた古代ギリシアの連邦に類する共同体との比較を試みる。それにより、「今」の理解にとっての西洋古代史の新たな需要を提示したい。それは西洋古代史の意義とも深く関わるであろう。
 なお本報告では、冒頭で挙げた報告者の論攷への反応と、阪大歴教研の成果(中でも大学の教養課程を対象とした『市民のための世界史』)にも触れる。最終的には、中等教育までの学校教育と高等教育である大学の教養課程における、近代史と前近代史の関係について提案を試みる。

【参考文献】
南雲泰輔,大戸千之,米本雅一,岸本廣大
「特輯 西洋古代史の語り方:現代日本社会のために」
『古代文化』65巻1号,2013年6月刊,62‐121頁。

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